バースト試験

天然ガスパイプライン用高強度鋼管への高品質要求

高圧の天然ガスパイプラインでは、万一破壊が起こった場合に、大規模な災害を引き起こす可能性があります。そのため、高圧の天然ガスパイプライン用には、安全性確保のために、特に高性能、高品質鋼管の採用が必要です。製鋼プロセスにおける高清浄度化(不純物の低減)や、熱間圧延時の制御圧延(※1)の適用等により、高強度、高靭性を達成し、一貫品質管理で高品質を確保しています。

大径溶接鋼管(※2)のバースト試験(※3)装置

高強度ラインパイプの高圧操業下における安全性を評価するため、当社では、外径20インチ(508mm)以上の大径鋼管に対応可能な、国内唯一のバースト試験設備を保有しています。水圧バースト試験並びにガスバースト試験の実施を通して、十分に高い安全性を有する、高強度大径溶接鋼管の開発に大きく貢献しています。

バースト試験装置外観(波崎研究開発センター)

大径鋼管のバースト試験専用の設備を有しているのは、国内では当社のみです。

(1)水圧バースト試験(水圧による内圧破壊試験)

水を鋼管内に充填し、水圧で破壊を行うことで、開発した鋼管が、設計に定められている強度を有しているかどうかを直接確認できます。その他、破壊の起点および破壊に至るまでの変形性能の調査に適用されます。高強度鋼管の開発段階で繰り返し試験を実施し、その性能を評価することで、材料開発、製造条件の適正化に貢献しています。

水圧バースト試験結果例(管径36インチ(914mm)、管厚20mm)

(2)ガスバースト試験(ガス圧による内圧破壊試験)

ガス(通常は窒素ガスを使用)を鋼管内に充填し、ガス圧で破壊を行うことで、実際の天然ガスパイプラインで内圧の掛かった状況を模擬し、破壊発生後の「き裂伝播挙動(※4)」を調査します。き裂伝播シミュレーション技術の高精度化を通して、き裂伝播の停止に必要な鋼管性能を明らかにすることで、安全な鋼管の開発に貢献しています。

ガスバースト試験結果例(管径36インチ(914mm)、管厚20mm)

用語解説

  1. ※1制御圧延
    圧延時の加熱温度および圧延温度を制御し、圧延後の鋼板組織を微細化する技術のことです。
  2. ※2大径溶接鋼管
    強力なUプレスで厚板をU字形に押し曲げ、続いてOプレスで円形にして継目を溶接する方式で製造される大径溶接鋼管は、当社では鹿島製鉄所・君津製鉄所の大径管工場で製造され、主に、石油・天然ガス用のパイプラインで使用されます。
  3. ※3バースト試験
    鋼管を内圧で破壊させる試験をバースト試験と言います。加圧媒体の圧縮性の違いにより、水圧バースト試験では、ガスバースト試験のような、き裂の長距離伝播はおこりません。
  4. ※4き裂伝播挙動
    破壊の発生後、き裂がどのように鋼管を進行し、停止するかの挙動です。天然ガスパイプラインでは、高圧がかかった状態で破壊が発生すると、鋼管の長手方向に、き裂が高速で伝播する性質があります。万が一、不測の事態で鋼管が破壊した際に、き裂が短い距離で停止することが、ガスラインパイプの安全性に重要となります。

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