製銑工程、製鋼工程等のいわゆる上工程では、高炉の稼働率を高め生産性を維持するとともに、熱間圧延以降の下工程においては競争力のある既存ラインの強化や生産設備の最適配置を図っており、これはもちろん、海外の設備もトータルで考えています。世界中のお客様のニーズに応えるために、海外の拠点を含めた最適な生産体制を構築していくとともに、生産・加工・物流を含めたサプライチェーンの充実を図り、設備保全・物流・システム等グループ会社との連携や現地パートナー・行政当局とのネットワークづくりを強化していきます。

製造する上での基幹プロセスの生産性の飛躍的な向上を目指しています。生産上限速度は、品質を確保するために制限されており、これまではある意味で常識となっていましたが、現在私たちはその上限速度を超える製造技術開発を行っています。私たちの扱う製品は諸外国では製造の難しい、難製造材(ハイグレード品)が多く、汎用品は多くはありません。一般に難製造材は生産性が悪い中、生産性を向上させることで収益の最大化に挑戦しています。また、商品メニューの拡大(多品種小ロット化)による中間在庫や余剰品の増加対策として、スループット能力の向上にも力を注いでいます。もちろん、抜本的に製造プロセスを見直す「革新的プロセス開発」にも取り組んでおり、鋼圧一貫プロセス、エネルギーソース拡大、省工程等に加え、将来確実な成長が予想される分野への対応(次世代自動車、水素社会)にも開発リソースを投入しています。

当社の設備は、機械メーカーから単に購入するのではありません。鉄を生産する立場で設備のあるべき姿を考え、その設備にも求められる能力・機能を考え、それを満たす仕様を機械メーカーに伝え、製作します。従って、鉄づくりでは設備に関わる知識・技術は不可欠です。唯一無二の設備が多いため、使い方も自分たちで考え、その上で更なる改善を積み重ねていきます。特に設備をメンテナンスする技術、いわゆる保全技術は重要です。膨大な設備のボルト1本から健全性を評価しなければ、安定した操業は継続できません。日本鉄鋼業の数多くの設備は、集中的に設備を立ち上げた時期から一定の年数が経過して、現在老朽更新時期に来ています。単純な新設ではなく、設備の状態を監視する技術、メンテナンスする技術、ライフサイクルコストをミニマム化する技術等、鉄鋼業特有の保全技術があり、それに更に磨きをかけていく事で当社は製造実力の向上を追求しています。