鉄鋼業を取り巻く環境は、国内外の需給ギャップ、新興ミルの技術的キャッチアップを背景に、激しい競争の時代に突入しています。こうした中、新日鐵住金では、最強の競争力を確保すべく、収益構造、生産構造等の改革を進めてきました。

統合効果の早期実現や、当社の強みである技術先進性の発揮により、足元では当初計画を上回るスピードで経営目標を達成しつつありますが、私たちの目指すべきは「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」の実現であり、その実現に向けてはまだまだ道半ばです。グローバルライバルメーカーに対する明確な優位性の確立を目指すべく、グローバルでの品種事業戦略の着実な成果発揮とともに、国内基幹拠点の競争力の強化を目指し今後も挑戦を続けていきます。

今後の成長が見込まれる戦略分野での取り組みについて、代表的なものをご紹介します。

新興国では土木・建築分野のインフラ整備が急務ですが、今後は、インフラの都市化・大規模化が進み、複雑かつ高度な施工に対応する製品・工法が求められることが予想されます。私たちは騒音・振動等の環境対策や耐震性に優れ、短工期・低コストを実現する製品・工法で世界のインフラ整備に貢献していきます。

また、鉄道も環境負荷の少ない輸送手段として世界で拡大が期待されています。安全性はもちろん、高速化が進む旅客向けでは、快適な乗り心地を実現する低振動・低騒音に対応した車輪・レールが求められています。長年培ってきたノウハウを活かして、市場ニーズを満たす高い技術力を提供していきます。

世界の自動車市場は拡大が見込まれ、今後も堅調な鋼材需要が予想されます。同時に、衝突安全性を確保しながら燃費向上のための軽量化も実現するという、相反する要求を満たす高品質な鋼材が求められています。私たちは、品質はもちろん、海外生産比率が高まるお客様のニーズに応える、世界で最も進んだ鋼材供給のグローバル体制と、利用加工技術にまで踏み込んだソリューション提案を推進していきます。

エネルギー需要は今後も増加が予想されるものの、石油・天然ガスの開発現場は掘削容易な浅井戸の枯渇が進み、深海や寒冷地等過酷な掘削環境へと変化しています。私たちは、こうした過酷な環境に耐え得る高機能な鋼材を提供していくことで、世界の資源エネルギー問題の解決に貢献していきます。