生産工程でのCO2削減と省エネルギーの取り組み

世界最高水準のエネルギー効率を実現

当社をはじめとする日本鉄鋼業は、第一次石油危機以降、生産工程における省エネルギー化技術やエネルギー回収技術への投資を積極的に進めてきました。具体的には、連続鋳造機や連続焼鈍炉等のプロセス革新や、熱片装入・自動燃焼制御などのプロセス改善を推進するとともに、コークス炉、高炉、転炉などの工程で発生する副生ガスを活用した副生ガス回収・高効率利用、またコークス乾式消火設備やリジェネバーナー、高炉炉頂圧発電設備などの排熱・排圧回収、さらには廃プラスチックなどの廃棄物利用などを推進してきました。2010年以降でも、コークスの製造時間を大幅に短縮できる次世代コークス製造技術「SCOPE21」の導入や高効率な副生ガス焚き発電設備の導入等、たゆまなく省エネルギーに取り組んでいます。こうした地道な活動により、日本鉄鋼業は、大幅な省エネルギーを達成し、現在、世界最高水準のエネルギー効率を実現しています。

鉄鋼業のエネルギー効率の国際比較(2015年)

鉄鋼業のエネルギー効率の国際比較(2015年)

3つのエコでさらなるCO2排出量削減を継続

2015年の世界のエネルギー起源CO2排出量は約323億トンで、日本の排出量の比率はそのうち3.5%です。また世界の温室効果ガス総排出量に占める日本の比率は2.5%(2014年=最新のIEA推定値)となります。

日本のエネルギー起源CO2排出量については、最新データである2016年度実績で11.3億トンで、そのうち産業部門が全体の約3分の1を占めており、当社は一般社団法人日本鉄鋼連盟の一員としてエコプロセスの実践を通じてこの産業部門のCO2排出量削減の一翼を担うとともに、エコプロダクツ®やエコソリューションによる国内外での削減にも貢献してきました。

エネルギー起源CO2排出量のシェア

エネルギー起源CO2排出量のシェア

まず2012年度まで取り組んだ「自主行動計画」において当社は、2008~2012年度に、1990年度対比でエネルギー消費量11.1%の削減(CO2排出量11.2%の削減)を達成しました。

2013年度からは引き続き、低炭素社会実行計画に参画し、3つのエコでさらなるCO2の排出量削減を推進しています。2020年度目標である低炭素社会実行計画フェーズⅠでは、一定の生産前提のもとで想定されるCO2排出量から自助努力による最先端技術の最大限の導入により300万トン-CO2の削減に傾注しつつ、さらに廃プラ等について2005年度に対して集荷量を増やすことができた分を削減実績としてカウントすることで、500万トン-CO2までの削減を目標とし、日本鉄鋼連盟全体で取り組んでいます。

最も効果的な温暖化対策は省エネルギーであることから、当社では、副生ガス・排熱の回収による発電をはじめとする製鉄プロセスで発生するエネルギーの有効利用や、廃プラスチック・廃タイヤの活用など、エネルギー効率の向上に取り組んでいます。これらの取組みの結果、2017年度の当社グループ(当社および関連電炉会社等関連電炉会社等 大阪製鉄、合同製鉄、新日鉄住金ステンレス、中山製鋼所、日本コークス工業、共同火力3社(君津、戸畑、大分)、サンソセンター2社(名古屋、大分)。)のエネルギー消費量は1,018PJ、CO2排出量は88百万トン(暫定値暫定値 2014年度の購入電力1単位当たりに含まれるCO2の量を2013年度と同じとした場合の数値)となりました。

省エネルギーとCO2排出量削減

最も効果的な温暖化対策は省エネルギーであることから、当社では、副生ガス・排熱の回収による発電を始めとする製鉄プロセスで発生するエネルギーの有効利用や、廃プラスチック・廃タイヤの活用などによるCO2排出量削減に取組んでいます。

新日鉄住金グループのエネルギー消費量

新日鉄住金グループのエネルギー消費量

*1 PJ(ペタジュール):P(ペタ)は10の15乗

J(ジュール)はエネルギー、熱量の単位

*2 GJ(ギガジュール):G(ギガ)は10の9乗

新日鉄住金グループのCO2排出量

新日鉄住金グループのCO2排出量

*3 暫定値 2017年度の購入電力1単位当たりに含まれるCO2の量を2016年度と同じとした場合の数値

なお、君津製鉄所東京地区は、東京都の「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」に2010年度から参画し、「総量削減義務と排出量取引制度における特定温室効果ガス排出量検証ガイドライン」に基づき、CO2排出量・エネルギー消費量に関して、第三者検証を受けています。

GHGの内訳(トン)

  2016年度 2017年度
エネルギー起源CO2 90,6000,000 88,300,000
非エネルギー起源CO2 3,491,446 3,182,936
CH4 117,210 110,547
N2O 135,014 136,013

新日鉄住金グループのスコープ3排出量(トン)

カテゴリー 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
輸送・流通(上流) 269,980 232,654 241,113 252,532 249,031
輸送・流通(下流) 562,882 527,531 474,041 482,927 507,073

セメント生産におけるCO2排出量


2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
セメント生産量(万トン) 232 221 208
セメント生産能力(万トン) 335 335 335
クリンカー生産量(万トン) 142 134 130
クリンカー生産能力 (万トン) 163 163 163
クリンカー/セメント比 0.61 0.61 0.63

2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
CO2排出量(万トン-CO2) 127 122 118
CO2排出原単位(KG-CO2/t-cem) 547 552 567

代替燃料の使用(%)

当社の代替燃料の使用割合は以下の通りです。


2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
代替燃料の使用割合 90% 88% 81% 78%

自家発電に占める副生ガスと排熱回収による発電の割合


製鉄所における省エネルギー技術の例

製鉄所における省エネルギー技術の例

省エネルギーの取組みの推移

省エネルギーの取組みの推移

日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画

日本鉄鋼業は、現行の自主行動計画において、自らの生産工程における省エネ(エコプロセス)、高機能鋼材が組み込まれた最終製品でのCO2削減(エコプロダクト)、省エネ技術の移転・普及による地球規模でのCO2削減(エコソリューション)の3つのエコを推進するとともに、中長期的なCO2削減の観点から革新的製鉄プロセス(COURSE50)の開発に着手しています。2013年度以降も、低炭素社会実行計画のもと、引き続き3つのエコとCOURSE50を4本柱とした温暖化対策を着実に推進していきます。
また、当社は地球温暖化対策に関する様々な公共政策について、日本鉄鋼連盟を通じて見解・意見を表明しています。
http://www.jisf.or.jp/business/ondanka/iken/teigen/

日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画(3つのエコと革新的技術開発)

日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画

*4 一定の生産前提のもとで想定されるCO2排出量に対しての削減量

*5 省エネ等の自助努力に基づく300万t-CO2削減の達成に傾注しつつ、廃プラ等については2005年度に対して集荷量を増やすことができた分のみを、削減実績としてカウントする。

独立発電事業(IPP)でのバイオ燃料使用によるCO2削減

鹿島火力発電所

鹿島火力発電所

鹿島製鉄所では、2007年に操業を開始した50万kWの発電所にて、構内で発生する梱包用木材パレットをチップ化した廃木材等を石炭代替燃料として使用しています。2017年度は約12,789トンのコーヒーかす・木材チップを使用し、約9,065トンのCO2を削減しました。

木質バイオマス(釜石)

木質バイオマス(釜石)

釜石製鉄所では、木を伐採した後に残る枝葉・梢端部分や間伐材など、林地残材を「バイオマスエネルギー」として活用し同時に森林整備にも貢献しています。2017年度は木質バイオマスを発電用に年間29,569トン使用し、約22,700トン/年のCO2を削減しました。

発電所全景

発電所全景

破砕チップ

切削チップ

チップ

大分製鉄所では、2014年度から発電用に木質バイオマスの使用を開始し、2017年度は年間6,308トン使用し、約10,968トン/年のCO2を削減しました。

地球温暖化への適応

新日鉄住金では、地球温暖化の緩和策のみならず、起こり得る地球温暖化の影響に備え、適応に向けた取り組みも行っています  。
当社の製品は堤防などの公共インフラ等の素材として長期に亘り使用され、集中豪雨や台風などに伴う洪水や高潮から街を守ります。また、国内外の製鉄所においても、貯水槽の設置や下層階部分の壁を無くして吹き抜け空間とすることで津波の破壊力を回避することが出来るピロティ構造の事務所の設置など、洪水や高潮等の緊急時に備える体制も整備しています 。



高炉は石炭を使った還元反応炉

高炉

鉄の主な原料は鉄鉱石と石炭です。高さが約100mもある巨大な高炉の中で鉄鉱石を還元して鉄を取り出しますが、石炭はどのような役割を果たしているのでしょうか。石炭の主成分は炭素ですが、高炉に装入する前に、無酸素状態で熱分解(乾留)し、炭化水素油やガスなどは有効成分として別途取り出しながら、強度と炭素純度の高いコークスとします。一方、鉄鉱石に含まれる鉄は酸化鉄として存在しています。高炉の中ではこの酸化鉄から酸素を取り除く還元という化学反応が起きており、コークスの炭素が還元剤として機能しているのです。石炭は燃料として燃やしているのではなく、化学反応を起こすための還元剤として使っているのです。

現在、鉄の大量工業生産において石炭に替わる還元剤はないため、炭素による還元反応の結果、CO2が発生することは避けられません。(酸化鉄+炭素→鉄+二酸化炭素)

そのような中、当社をはじめとする日本の鉄鋼業においては、製鉄プロセス効率化や、発生する副生ガスや排熱の有効活用による省エネルギー対策を進めてきた結果、世界の鉄鋼業において最も高いエネルギー効率を実現し、CO2の排出量を抑制しています。すなわち、日本で鉄をつくることは地球にやさしいことなのです。

さらに、環境調和型プロセス技術の開発「COURSE50」において、石炭を部分代替する還元剤として水素を工業生産に活用することを目指して研究開発を進めています。(酸化鉄+水素→鉄+水)

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