鉄を利用した海の森づくり

近年、新たな環境問題になっているのが、海中の海藻類が消失して海が砂漠化する「磯焼け」です。海の生き物の成育環境も悪くなり、沿岸漁業に深刻な打撃を与えています。本来、川を通じて供給されてきた森に起源をもつ鉄分が不足してきたことも「磯焼け」の一因であることが分かってきました。自然界からの鉄分の供給を補うために、新日鉄住金は、製鉄プロセスの副産物である、鉄分を豊富に含む鉄鋼スラグと腐葉土を活用した鉄分供給ユニットを開発・提供し、藻場回復に取り組んでいます。


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現状の海域環境

現状の海域環境

※磯焼け:コンブやワカメ、その他多種の海藻群落が減少して不毛状態となること

鉄鋼スラグ製品を使った海域環境の改善への取り組み

鉄鋼スラグと、廃木材チップを発酵させた腐植土との混合物を袋詰めしたユニットを海に入れ、人工的に腐植酸鉄を海に供給します。

鉄鋼スラグ製品を使った海域環境の改善への取り組み

袋詰めの鉄分補給ユニット埋設半年後、ユニット埋設部から沖合い30mほどの海域にコンブが豊かに生育し、2年目、3年目もその効果が継続することが確認できました。(北海道増毛町)

転炉スラグ漁礁ブロック実海域設置試験

和歌山製鉄所では、転炉スラグ漁礁ブロックを用いた漁礁への適用試験を実施しています。
2008年10月和歌山県海南市冷水浦地先海域(海南市漁業組合)にて転炉スラグ漁礁ブロック12個(7トン/個)を沈設し、生物分布・付着動物・魚介類について経過を観察しています。
2010年4月観察結果より、転炉スラグ漁礁ブロックは比較材の砕石ブロックに比べて、海藻・付着動物の種類、量とも多い傾向が確認できました。今後も引き続き経過観察を実施し、転炉スラグ漁礁ブロックの漁礁への優位性を確認していきます。
観察した生物等の種類は以下のとおりです。

  • 生物類:ワカメ、シダモク、カゴメノリ、ワツナギソウほか
  • 付着動物:ウミウシ、イタボガキ、ナマコ、マボヤほか
  • 魚介類:メバル、カサゴ、クロダイ、アジほか

なお、観察結果は、海南市漁業組合、和歌山県水産振興課、海南市産業振興課に報告し、高い評価を得ております。

経過観察状況

経過観察状況

転炉スラグ漁礁ブロック

転炉スラグ漁礁ブロック

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