トップメッセージ

 



社長の進藤孝生です。

鉄は人々の生活を支え、社会を支えています。私たち新日鉄住金は、鉄づくりを通して、広く社会の基盤を支えるという重要な役割を担っています。しかし、鉄づくりという事業は、社会に深く根ざしているが故に、経済や産業の動向に連動して事業環境が大きく変化しやすいという側面を持ち合わせています。このような認識のもと、私たちは、長期的視点に基づく諸施策を通じて、ハイエンド製品を主軸とした強い収益基盤と、厳しい環境にも負けない企業体質の構築に努めてきました。

現在、当社が取り組んでいる2017年度を最終年度とする中期経営計画は、いかなる環境においても成長を持続するという、私たちの意思を具現化したものです。足下では、中国における生産能力過剰と需要減退が世界の鉄鋼市況を低迷させ、また、原油価格の下落がエネルギー向け鋼材の需要を急減させるなど、私たちを取り巻く環境は厳しさを増しています。特に中国発の環境悪化は、同国政府が能力削減に向けた政策転換へと舵を切ったものの、本格的な改善には今しばらく時間がかかるものと思われます。このような厳しい環境に直面している中にあっても、私たちは軸をぶらさずに中期経営計画を実行することに全力を傾けるべきと考えています。

今次中期経営計画では、ベースとなる戦略として、「技術」「コスト」「グローバル」を当社競争優位性の柱に、国内事業と海外事業を車の両輪として成長していくことを掲げています。すなわち、設備・人材への重点的な投資を通じて国内製造基盤を強化し、他の追随を許さない圧倒的な技術力・コスト競争力を獲得するとともに、国内で培ったベストプラクティスを海外へと展開し、海外製造拠点の戦力強化を図ることで、海外市場での収益を拡大していきます。具体的には、国内では高炉休止を含めた上工程の設備集約とコークス炉等の設備更新により、コスト競争力に磨きをかけます。また、高いレベルでの研究開発投資により技術先進性を維持・強化するとともに、採用を拡大し、将来当社を担う人材の育成を進めます。一方、海外では、生産能力を1,900万トンへと拡大する中で、中長期的に成長が期待される「自動車」「資源エネルギー」「インフラ」の戦略3分野を中心に、海外で事業を展開するお客さまに、高品質・高機能な鋼材をタイムリーにお届けする体制を確立し、収益拡大を目指します。

こうした一連の取り組みに加え、2016年初頭には将来の成長の布石となる複数の施策を打ち出しました。国内における施策として、日本第4位の高炉メーカー日新製鋼の子会社化及び同社への継続的な鋼片供給に関する検討を開始しました。海外における施策としては、エネルギー向けハイエンド鋼管メーカー仏バローレック社への出資拡大及び研究開発・顧客サービスにおける協業拡大等の戦略的提携深化、さらに、当社の持分法適用会社であり当社の海外における最重要拠点の一つである伯ウジミナス社の増資引き受けを進めてきました。これらはすべて、「技術」「コスト」「グローバル」を軸に決定した長期的視点に基づく投資です。また当社は、こうした成長戦略を支えるための機動的な資本政策の遂行に備え、40百万株の自社株式の取得を実施しました。当該自己株式取得は、当社の企業価値を向上させ、ひいては、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまの利益にかなうものと考えています。

足下は厳しい状況であるものの、新興国を中心に経済が発展し、人々の暮らしが豊かになることで、鉄のニーズはますます拡大していくと確信しており、鉄鋼業は長期的にみれば成長していくとの考えに変わりはありません。私たち新日鉄住金は、人々の生活を支え、社会を支える鉄を、高い品質をもって皆さまにお届けするという重い責任を担っていると自負しています。安全・環境・防災・コンプライアンスを基本に、持続的な成長を実現するためのこうした施策を着実に実行していくことで、総合力世界No.1の鉄鋼メーカーの地位を揺るぎないものとし、ステークホルダーの皆さまのご期待にお応えしてまいります。今後ともご支援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

新日鉄住金株式会社
代表取締役社長 進藤 孝生





このページの上部へ

ここからフッター情報です